社会との接点がつかめず、孤独をもてあましていた思春期、それでも芸術のそばでなら生きていけるかもしれないと思い、東京藝術大学に入学しました。
そこで知ったのは、言葉にならない感覚を他者に投げかけ、共有できるのがアートだということです。この実感が、私の政治の原点にあります。
私は、広島県の小さな町に育ちました。家族が医療や政治に携わっていたため、政治や選挙は幼い頃から身近なものでした。
一方で私が惹かれたのは、政治や医療とは異なるかたちで人の生を支える力がある芸術でした。藝大では学業と並行して、文学座や平田オリザ氏の私塾・無隣館で演劇を学びました。
卒業後は新卒で出版社に入社し、演劇専門誌の編集に従事しました。また、働きながら東京大学大学院でも学び、文化芸術が社会の中で果たす役割を考え続けてきました。
2023年4月、母校・藝大のある台東区で区議会議員選挙に挑戦し、2,638票を託していただき初当選しました。議会では「潜在的なニーズを可視化する」ことをテーマに、文化政策やジェンダー主流化、SRHRなどに取り組んできました。
分野は異なっても、根底にあるのは同じ考えです。個人の声と選択を尊重すること。まだ言葉になっていない思いや政治に届きにくい声を、政策につなげていくことを大切にしています。
政治が文化のために守るべきものは、孤独や曖昧さを置いておける余白です。すぐには役に立たず、数値で測れず、簡単には説明しきれないもの。それでも社会に必要なものとして支えていく。そこに文化政策の根幹があると考えています。
アートそのものにまで行き着かなくてもいい。その手前で、一人ひとりが今より少し自由に生き方を選べる。そんな台東区を実現するために、これからも取り組んでまいります。